「利益は出とるのに金が残らん…」元経理部長が教える借り換えのメリット3選
2025/09/27
はじめに:社長、そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
「利益は出とるのに、なんで金が残らんのじゃ…」
広島・呉の地で、先代から受け継いだ大切な会社を守るため、誰よりも真面目に、誠実に働いている。 決算書を見れば、しっかりと黒字は出ているはず。
それなのに、なぜか月末が近づくたびに資金繰りに頭を悩ませ、通帳の残高とにらめっこする日々。従業員25人と、その家族の生活が自分の両肩にかかっているという重圧。
「このままのやり方で、あと10年、20年先も生き残れるんじゃろうか…」 3
そんな漠然とした、しかし決して消えることのない不安を抱え、眠れない夜を過ごしている社長へ。
そのお気持ち、27年間、経理部長として多くの中小企業の社長と伴走してきた私には、痛いほどよく分かります。
はじめまして。中小企業の資金繰り改善プロ、檜和田知之と申します。
もし社長が今、同じような悩みを抱えているのであれば、それは決して社長の経営手腕が劣っているからではありません。その原因は、多くの場合「会社の成長と、昔のままの借入条件との間に生じたズレ」にあるのです。
そして、その悩みは「金融機関からの借り換え」という、極めて有効な一手で解決できる可能性があります。
この記事では、私が経理部長として数々の会社の資金繰りを改善してきた経験に基づき、「なぜ利益が出ているのに現金が残らないのか」という根本原因から、借り換えによって会社の現金を増やし、未来への投資を可能にするための具体的な方法まで、余すところなくお伝えします。
この記事を読み終える頃には、社長の頭を覆っていた資金繰りの霧が晴れ、会社の未来を切り拓くための明るい道筋が見えているはずです。
第1章:【原因分析】そもそも、なぜ利益と現金は一致しないのか?
「勘定合って銭足らず」とはよく言ったもので、多くの中小企業がこのワナにはまっています。まずは、なぜ利益が出ているはずなのに、社長の手元に現金が残らないのか。その3つの根本原因を、元経理部長の視点から分かりやすく解説します。
原因1:中小企業を悩ませる「黒字倒産」の仕組み
社長の会社、タナカフーズさんのような食品加工業 で考えてみましょう。
一生懸命作った佃煮や惣菜を地元のスーパーに卸します。スーパーからは「今月末締めの、翌々月15日払いで」と言われているかもしれません。つまり、売上(利益)が計上されてから、実際に入金されるまでに2ヶ月半ものタイムラグがあるわけです。
しかし、昆布や醤油といった原材料の仕入れ先への支払いは、翌月末にはやってきます。従業員の給料は、もちろん毎月待ってくれません。
この「入ってくるお金(入金)と、出ていくお金(支払)のタイミングのズレ」こそが、利益と現金を狂わせる最大の原因です。決算書の上では売上が立っていても、そのお金はまだ取引先の銀行口座にあり、社長の会社の通帳には入っていないのです。
私が経理部長だった頃も、「檜和田くん、帳簿上は儲かっとるはずなのに、なんで支払いがこんなにキツいんじゃ…」と頭を抱える社長を何人も見てきました。これは特別なことではなく、多くの中小企業が日常的に直面している現実なのです。
原因2:会社の成長に追いついていない「昔のままの借入条件」
会社を継いで10年。 きっと、事業は先代の頃よりも大きくなっているはずです。取引先も増え、年商も3.5億円 と、立派な規模になりました。
しかし、金融機関からの借入条件は、どうなっているでしょうか?
もしかしたら、まだ会社が小さかった頃や、業績が少し厳しかった時期に契約した、少し高めの金利のままになっていませんか?あるいは、短期の運転資金を繰り返し借りていて、返済期間が短く、毎月の返済額が大きくなっているかもしれません。
会社の信用力は、10年前よりも格段に上がっているはずです。それにもかかわらず、借入条件が昔のままというのは、今の体力に見合わない重い鎧を着てマラソンを走っているようなもの。これでは、資金繰りが苦しくなるのも当然です。
原因3:見過ごしがちな「金利」という名の固定費
社長は、毎月金融機関に支払っている「利息」の額を、一年間で合計するといくらになるか計算したことはありますか?
例えば、借入金の残高が5,000万円あるとします。
金利が年2.5%なら、年間の利息は125万円です。
もし、これを借り換えによって1.5%にできたなら、年間の利息は75万円。
その差は、実に年間50万円。
50万円あれば、何ができるでしょうか。
頑張ってくれているベテラン社員に、少しばかりの賞与を出すこともできます。ハローワークに出しても応募がない 7という悩みを解決するため、新しい求人媒体に広告を出すこともできるでしょう。いまだに電話とFAXが中心の受発注業務 8 を少しでも効率化する、小さなシステムなら導入できるかもしれません。
金利は、目に見えにくいですが、確実に会社の現金を蝕んでいく「固定費」です。これを放置しておく手はありません。
第2章:【具体的解決策①】資金繰りを劇的に改善!借り換えがもたらす3つのメリット
では、金融機関の借り換えを行うことで、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。ここでは、私が厳選した3つの大きなメリットを、具体的な事例を交えながらご紹介します。
メリット1:毎月の返済負担を軽減し、手元の現金を増やす
これが借り換えの最も直接的で、分かりやすいメリットです。具体的には、「金利を引き下げる」ことと「返済期間を延ばす」ことの2つのアプローチで、毎月のキャッシュフローを劇的に改善できます。
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金利の引き下げ効果: 先ほどもシミュレーションしましたが、わずか1%の金利差が、年間で見れば数十万円単位の現金を生み出します。これは、まるまる会社の利益として手元に残るお金です。
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返済期間の延長効果: 例えば、「残り5年で返済予定の借入金1,200万円」があったとします。この場合、毎月の元本返済額は20万円です。これを借り換えによって「返済期間10年」に延ばせたとすれば、毎月の元本返済額は10万円に半減します。つまり、毎月10万円、社長が自由に使える現金が増えるのです。
もちろん、返済期間を延ばせば総支払利息は増える可能性もありますが、目先の資金繰りを安定させ、会社を成長軌道に乗せることの方が重要な局面は多々あります。
【架空事例】広島県呉市の食品加工会社「有限会社呉フーズ(仮)」の成功談
呉市で、田中社長と同じように父親から会社を引き継いだA社長(45歳)も、数年前まで同じ悩みを抱えていました。
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当時の悩み: 業績は安定しているものの、原材料費の高騰で利益が圧迫され、資金繰りが悪化。 特に、長年会社を支えてくれたベテラン職人たちが数年後に引退を控えており、若手を育てなければ会社の味を守れない という強い危機感を持っていました。しかし、若手を採用し、育てるだけの資金的余裕がありませんでした。
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実行したこと: 専門家のアドバイスを受け、複数の金融機関に散らばっていた総額4,000万円の借入を、地元の信用金庫で一本化する「借り換え」を実行。平均2.2%だった金利を1.4%に引き下げることに成功し、さらに一部の借入の返済期間を7年から10年に延長しました。
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得られた結果: この借り換えにより、A社長の会社は年間で約130万円ものキャッシュフロー改善を達成しました。A社長はその資金を元手に、若手社員向けの新しい給与テーブルを作成し、食品衛生管理者などの資格取得費用を全額会社負担にする制度を導入。結果、地元の工業高校から新卒者を1名採用することができ、ベテラン職人の下で技術承継の第一歩を踏み出すことができたのです。
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A社長はこう言います。「借り換えは、単なる延命措置じゃなかった。会社の未来を創るための、最高の『投資』じゃったんよ」と。
(※この事例は、読者の理解を深めるために作成した架空のものです)
メリット2:バラバラな借入を一本化し、経営状況を「見える化」する
複数の金融機関から、異なる条件で借入をしていると、資金管理は非常に複雑になります。
「A銀行への返済は毎月25日、B信金は27日、C公庫は…」
これでは、社長の頭の中は常に支払いのことでいっぱいです。
借り換えで借入を一本化すれば、返済日は月1回になり、資金繰り表も驚くほどシンプルになります。どんぶり勘定から脱却し、会社の数字の流れが明確に「見える化」されるのです。
経営状況がクリアになれば、先の見通しが立てやすくなり、「よし、このタイミングで新しい機械を導入しよう」「来年は新しい販路を開拓しよう 11」といった、前向きな経営判断を、自信を持って下せるようになります。
メリット3:金融機関との関係を再構築し、未来の成長に向けた布石を打つ
意外と見過ごされがちですが、これも非常に大きなメリットです。
借り換えの相談は、「うちの会社には、これだけの強みと将来性があるんです」と、金融機関に改めてプレゼンテーションする絶好の機会です。
今までの「お願いだから貸してください」という関係から、「事業パートナーとして、一緒に成長していきませんか?」という対等な関係へとステップアップできるチャンスなのです。
実際に、私のクライアントの中には、借り換えをきっかけに金融機関の担当者と非常に良好な関係を築き、有利な補助金・助成金の情報をいち早く紹介してもらったり 12、販路拡大に繋がりそうな取引先を紹介してもらったりした社長も少なくありません。
信頼できる金融機関とのパートナーシップは、会社の成長にとって何物にも代えがたい財産となります。
第3章:【具体的解決策②】専門家が徹底解説!借り換えを成功に導く3つの実践ステップ
「メリットは分かった。でも、何から手をつければええんじゃ…」
ご安心ください。社長のような、日中は現場や外回りで忙殺されている方 でも、明日から取り組めるように、借り換えを成功させるためのプロセスを3つのシンプルなステップに分けて解説します。
ステップ1:『敵を知り己を知る』まずは自社の借入状況を一枚の紙に書き出す
いきなり金融機関に乗り込むのは得策ではありません。まずは現状を正確に把握することから始めます。
難しい書類は必要ありません。手書きのメモで十分です。
以下の5つの項目を、借入先ごとにすべて書き出してみてください。
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金融機関名
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現在の借入残高
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金利(年利%)
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最終返済期限(あと何年か)
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担保・保証人の有無(代表者個人の連帯保証など)
これを一枚の紙にまとめるだけで、自社の借入の全体像が驚くほどクリアになります。これが、金融機関と交渉するための、最初の、そして最も重要な「武器」になります。
ステップ2:『未来の設計図を描く』簡単な事業計画を作る
「事業計画」と聞くと、分厚い書類をイメージして尻込みしてしまうかもしれません。 でも、大丈夫。ここで作るべきなのは、金融機関を唸らせるような立派なものではありません。
「社長の熱い想いを、数字の裏付けと共に伝えるための手紙」だと思ってください。
A4用紙1〜2枚程度で、以下の内容をまとめてみましょう。
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なぜ、借り換えが必要なのか?
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(例:現在の返済負担が重く、資金繰りが圧迫されている。このままでは、老朽化した設備の更新もままならない)
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借り換えで、毎月いくらの余裕が生まれるのか?
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(例:返済額が月〇万円減り、手元資金が増える)
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その生まれた余裕資金で、何をしたいのか?
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(例:新しい包装機を導入し、生産性を1.5倍にしたい。それにより、新規のスーパー〇社との取引を開始できる見込み)
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その結果、会社の売上や利益はどうなるのか?
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(例:3年後には売上を〇%向上させ、利益も〇万円増加させる計画)
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ポイントは、借り換えが単なるコストカットではなく、会社の未来をより良くするための「前向きな投資」であることを、社長自身の言葉で伝えることです。
ステップ3:『いざ、交渉のテーブルへ』誰に、どう相談すればいいのか?
準備が整ったら、いよいよ金融機関に相談します。相談先としては、主に以下の3つの選択肢が考えられます。
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現在の取引金融機関(メインバンク):
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メリット: 今までの取引実績があるため、話が早い可能性がある。
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相談のコツ: 「他行で、もっと良い条件の提案を受けているのですが…」と、いわゆる「相見積もり」を匂わせることで、条件の見直し(金利引き下げなど)に応じてくれる場合があります。
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地元の信用金庫・信用組合:
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メリット: 地域密着で、中小企業の味方になってくれるケースが多い。 16 銀行に比べて、より親身に相談に乗ってくれる傾向がある。
相談のコツ: ステップ2で作成した「未来の設計図」を熱意を持って伝え、会社の将来性を応援してもらうスタンスで臨むと良いでしょう。
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日本政策金融金庫など政府系金融機関:
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メリット: 民間金融機関よりも低い金利で、長期の融資を受けられる可能性がある。
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相談のコツ: 国の政策に沿った事業(例:デジタル化の推進、事業承継など)であれば、より有利な条件を引き出しやすいです。
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大切なのは、「お金を貸してください」とお願いに行くのではなく、「うちの会社と組めば、御行にもメリットがありますよ」という、対等なパートナーとしての姿勢で交渉に臨むことです。その自信と熱意が、担当者の心を動かすのです。
【まとめ】借り換えは、会社の未来を創る「攻めの一手」です
ここまで、中小企業が金融機関の借り換えを検討すべき理由と、その具体的な方法についてお話ししてきました。
最後に、社長に一番お伝えしたいこと。
それは、金融機関の借り換えは、単に目の前の返済を楽にするための「守り」の手段ではない、ということです。
それは、資金繰りの不安という重く冷たい鎧を脱ぎ捨て、会社の未来を切り拓くための、極めて有効な「攻めの一手」なのです。
借り換えによって生まれた手元の現金は、社長が本当にやりたかったことを実現するための、大切な軍資金になります。
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ベテラン職人の技を、次の世代に引き継ぐための若手採用
生産性を上げ、新しい販路を開拓するための設備投資
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息子さんが「この会社を継ぎたい」と心から思えるような、魅力ある会社への変革
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そのすべてが、資金繰りの改善から始まります。
社長が一人で抱え込んできたその重圧を、少しだけ軽くするお手伝いを、私のような専門家にさせていただけませんか。
会社の数字のことは、専門家に任せてください。社長は、社長にしかできない仕事――「ええもんを作り、従業員と、この呉の地域を元気にする」という、会社の未来を創る仕事に、もう一度、夢中になっていただきたいのです。
資金繰りや金融機関との交渉でお悩みの経営者様へ。当社の『もう一人の経理部長プラン』なら、そのお悩みを解決できます。まずはHPをご覧ください。
筆者プロフィール
檜和田 知之(ひわだ ともゆき)
ワイズビズサポートナビ代表。
27年間にわたり、中小企業の経理・総務部長として、資金繰り改善、業務効率化、補助金申請支援などに従事。数々の企業の黒字化、成長を内部から支えてきた経験を持つ。現在は、その経験とノウハウを活かし、「もう一人の経理部長」として、広島県内の中小企業経営者をサポートしている。専門用語を使わない、社長の心に寄り添った親身なアドバイスが信条。
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