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「うちじゃ無理…」と嘆く社長様へ。パソコンが苦手な社員とIT化を円満に進める5つのステップ

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「うちじゃ無理…」と嘆く社長へ。PC苦手な社員と進めるIT化 5ステップ

「うちじゃ無理…」と嘆く社長へ。PC苦手な社員と進めるIT化 5ステップ

2025/09/19

社長、そのお悩みは一人で抱える必要はありません

 

「うちの会社じゃ、IT化なんてどうせ無理じゃ…」

パソコンの前で固まってしまうベテラン社員の顔を思い浮かべては、そう一人でため息をついていませんか?

事務所に鳴り響くFAXの受信音、月末になると山積みになる手書きの伝票。心のどこかでは「このままじゃいけない」と分かっている。それなのに、新しいことを始めようとすれば、「今のやり方で問題ない」「そんな面倒なことは覚えられん」という見えない壁にぶつかってしまう。

IT化に成功した同業者の話を聞くたびに募る焦りと、「もし導入に失敗して、無駄金になったらどうしよう」という恐怖。その板挟みの中で、孤独に悩んでおられる社長のお気持ち、痛いほどよく分かります。

何を隠そう、私自身が27年前、あなたと全く同じ壁にぶつかり、無力感に打ちひしがれた経験を持っているからです。

かつて私が経理部長として勤めていた工場で、コスト削減のために意気揚々と新しい管理システムを導入しようとしたことがありました。しかし、計画書を現場に持っていくなり、ベテランの職長に「こんな面倒なこと、やってられるか!」と一喝され、突き返されてしまったのです。

数字の上では完璧なはずの計画が、現場で汗水流して働く人たちのプライドや、長年培ってきた勘を無視したために、全く機能しなかった。あの時の、自分の計画書がまるで紙くずのように感じられた悔しさと無力感。それが**「机上の空論では、会社は1ミリも動かない」という、今の私の仕事の原点**になっています。

だからこそ、断言できます。

パソコンが苦手な社員が多い中小企業でも、正しい手順さえ踏めばIT化は必ず成功します。大切なのは、高価で最新のシステムを導入することではありません。社員の心に丁寧に寄り添い、会社一丸となって、ほんの小さな一歩を踏み出すことなのです。

 

なぜ、中小企業のIT化は9割が失敗に終わるのか?

 

あなたの会社がIT化に踏み出せないのも、過去に挑戦してうまくいかなかったのも、決して社長の能力や社員のITスキルが低いからではありません。

実は、多くの中小企業のIT化が失敗する原因は、導入するツールの性能といった技術的な問題ではないのです。そのほとんどが、IT化の「進め方」における、根本的な3つのボタンの掛け違いにあります。

 

原因1:目的が「IT化すること」になっている

 

社長、胸に手を当てて考えてみてください。「IT化して、どうなりたいですか?」と聞かれた時、「業務を効率化するため」という、少し曖昧な言葉で終わってしまっていませんか?

「効率化」という言葉だけでは、社員の心には響きません。なぜなら、その先にどんな良いことがあるのか、具体的にイメージできないからです。「なぜ、今このタイミングで、面倒な思いをしてまで新しいことを覚えなければならないのか?」という社員の素朴な問いに、社長自身の熱い言葉で答えられていない。これが、一つ目のボタンの掛け違いです。

 

原因2:社員を「説得する相手」だと思っている

 

特に、会社を長年支えてきてくれたベテラン社員の方々。彼らにとって、長年慣れ親しんだ仕事のやり方は、会社に貢献してきた歴史そのものであり、プライドの源です。

そのやり方を、社長が一方的に「非効率だから変えましょう」と言ってしまえば、彼らが反発するのは当然のこと。まるで、これまでの自分の仕事を否定されたかのように感じてしまうからです。

社員を「変化を阻む抵抗勢力」「説得すべき相手」と見てしまうか、「会社の歴史を知り、未来を共に創る大切な仲間」と見るか。この視点の違いが、IT化の成否を分ける二つ目のボタンの掛け違いです。

 

原因3:社長自身が「ITは苦手」と逃げ腰になっている

 

「わしはパソコンはよく分からんから、詳しい若いもんに任せるわ」

これは、社長が絶対に口にしてはいけない言葉の一つです。社長自身がIT化に対してどこか他人事で、逃げ腰になっていると、社員は敏感にその空気を感じ取ります。

「どうせまた、社長の思いつきじゃろう」「本気じゃないなら、俺たちが本気になる必要もない」。

そう思われてしまえば、どんなに素晴らしいシステムを導入しても、現場で使われることはありません。社長が誰よりも強い覚悟と熱意を示し、先頭に立って汗をかく。その姿勢なくして、三つ目のボタンを正しく掛けることはできないのです。

 

元経理部長が27年の現場経験で導き出した「悪者にならないIT化」5つのステップ

 

では、どうすればこれらのボタンを正しく掛け、社員を味方につけながらIT化を進められるのでしょうか?

ここからは、私が27年間にわたり、様々な中小企業の現場で実践し、効果を上げてきた具体的な5つのステップをご紹介します。難しい専門用語は一切使いません。明日から、あなたの会社でもすぐに始められることばかりです。

(※本記事で紹介する企業事例は、読者の皆様の理解を助けるために作成した架空のものです)

 

ステップ1:ツールではなく「叶えたい未来」の話をする

 

IT化を成功させる最初のステップは、意外に思われるかもしれませんが、パソコンを一切使わない会議を開くことです。

そこで話すのは、ツールの機能や導入コストの話ではありません。社長が心から願う「会社の未来の姿」です。

「5年後、うちはどんな会社になっていたいだろうか?」

「手書きの伝票入力にかけている時間をなくして、その時間でもっと美味しい佃煮のレシピをみんなで考えたいんじゃ」

「月末の請求書作業を自動化して、みんなが早く帰って家族とゆっくり晩ごはんを食べる時間を増やしたい」

このように、社員一人ひとりが「自分にも関係がある」「そうなったら嬉しい」と心から思えるような、ワクワクする未来の物語を共有するのです。IT化は、あくまでその未来を実現するための「手段」にすぎません。この目的共有こそが、全ての土台となります。

【架空の事例:広島市内の運送会社B社】

B社の社長は「全ドライバーの残業時間を月10時間減らす!でも、給料は絶対に下げん!」という、具体的で魅力的な未来を会議で掲げました。そのための手段として、スマホで日報や配送ルートを管理できるシステムの導入を提案したところ、「それならやってみようか」と、これまで反対していたベテランのドライバーからも前向きな意見が出るようになったのです。

 

ステップ2:社内の「応援団長」を任命する

 

社長が一人で「IT化を進めるぞ!」と旗を振っても、なかなか全社員には浸透しません。そこで重要なのが、社内に社長の想いを広めてくれる「応援団長」を見つけることです。

いきなり全社員を巻き込もうとするから、大きな抵抗が生まれます。まずは、変化に対して前向きな若手や中堅社員、あるいは「今のやり方は少し大変だ」と感じている社員に声をかけ、小さな推進チームを作りましょう。

社長が直接全社員を説得するよりも、日々一緒に働く現場の仲間から「このツール、使ってみたら意外と便利ですよ」「分からないところ、私が教えますよ」と声をかけてもらう方が、他の社員の心理的な抵抗感はぐっと和らぎます。

【架空の事例:呉市の建設会社C社】

C社では、社長がパソコンを少し得意としていた事務の女性社員を「DX応援団長」に任命しました。彼女が中心となり、現場から帰ってきた職人さん一人ひとりに、スマホを使った簡単な日報入力のメリットを根気強く伝え続けました。「社長に言われるとカチンとくるけど、〇〇さん(事務員)が言うなら…」と、少しずつ協力してくれる職人さんが増えていきました。

 

ステップ3:「無料」で「簡単」なことから試す

 

IT化と聞くと、何十万、何百万もする高価な専用システムをイメージしていませんか?その必要は全くありません。特に最初のうちは、「無料」で「簡単」に始められることから「お試し」するのが成功の鉄則です。

例えば、

  • 社員間の連絡を電話やFAXから、多くの人がスマホで使い慣れているLINEのビジネス版「LINE WORKS」に変えてみる。

  • 社長の頭の中にしかなかった現場の予定を、無料で使える「Googleカレンダー」で共有してみる。

大切なのは、「まずは1ヶ月だけ、お試しでやってみん?もし使いにくかったら、すぐに元のやり方に戻そうや」というスタンスです。いつでもやめられる安心感が、新しいことへの挑戦のハードルを大きく下げてくれます。

もちろん、パソコンが苦手な社員の方には、社長や応援団長が隣に座って、一つひとつ丁寧に操作を教えてあげる個別フォローが不可欠です。「今ある紙の資料からでも改善はスタートできます」し、「まずはExcelから始めて、徐々にステップアップ」していく。そのくらいの、ゆっくりとしたペースがちょうど良いのです。

 

ステップ4:社長と社員の「通訳者」を頼る

 

どれだけ丁寧にステップを踏んでも、改革には痛みが伴う場面や、社長と社員の意見が対立してしまう場面が出てくるかもしれません。社長が孤立しそうになった時、絶対に一人で抱え込まないでください。

そんな時こそ、私たちのような外部の専門家を「社長と社員の通訳者」として頼ってほしいのです。

社長が直接言いにくいコストの話や、会社が置かれている客観的な数字の事実、改革の必要性を、第三者である専門家の口から冷静に伝えてもらう。それだけで、社員の受け止め方は大きく変わります。私が社長と社員の間に立つ「緩衝材」となり、社長が"悪者"になることなく、円滑に変革を進めるお手伝いをします

私たちの「もう一人の経理部長プラン」は、まさにこの「通訳者」としての役割を担い、社長の孤独な戦いを隣で支えるサービスなのです。

 

ステップ5:「IT導入補助金」を賢く活用する

 

本格的なシステム導入を考え始めた時、多くの社長の頭を悩ませるのが資金の問題です。しかし、心配はいりません。中小企業のIT化を後押しするため、国や県は非常に手厚い補助金制度を用意しています。

例えば**「IT導入補助金」を活用すれば、最大で450万円もの補助が受けられる**可能性があります。 

 

「良い制度があるのは知っているが、申請書類が複雑すぎて、うちではとても無理…」

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IT化の主役は、ツールではなく「人」です

 

ここまで、パソコンが苦手な社員と共にIT化を進めるための5つのステップをお伝えしてきました。

  1. ツールではなく「叶えたい未来」の話をする

  2. 社内の「応援団長」を任命する

  3. 「無料」で「簡単」なことから試す

  4. 社長と社員の「通訳者」を頼る

  5. 「IT導入補助金」を賢く活用する

IT化とは、決して単に新しい機械やソフトを会社に入れることではありません。社長と社員一人ひとりが正面から向き合い、会社の未来を一緒に悩み、考え、創り上げていく、一大プロジェクトです。

その主役は、高価なシステムではなく、間違いなく「人」。社長であり、社員の皆さん、一人ひとりです。

完璧な計画を立てる必要はありません。大切なのは、まず一歩を踏み出す勇気と、社員の心に寄り添い続ける誠実さです。社長が一人で孤独に戦う必要は、もうありません。
 


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筆者プロフィール

檜和田 知之(ひわだ ともゆき)

ワイズビズサポートナビ 代表。日新製糖株式会社、ネッツトヨタ広島株式会社、その他広島・呉の中小企業で経理・管理部門の責任者を歴任。 27年間の豊富な現場経験を活かし、机上の空論ではない、地に足のついた経営改善・資金繰りサポートを提供している。

 

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