利益は出てるのに…会社の数字、見るべきポイントは3つだけ
2025/08/25
「社長、今月の試算表です」
税理士さんから渡される、数字がびっしりと並んだ書類。
売上も立っているし、利益もちゃんと黒字になっている。
「よし、今月も順調だな…」
そう思ったはずなのに、月末が近づくにつれて頭をよぎる、あのイヤ〜な感覚。
「あれ、なんで支払いのことを考えると、通帳の残高が心もとないんじゃろうか…」
こんにちは。ワイズビズサポートナビの檜和田知之(ひわだ ともゆき)です。
広島・呉エリアで、中小企業の経営者様の「もう一人の右腕」として、資金繰りや経営のお手伝いをしています。
冒頭のようなお悩み、実は私がこれまでお会いしてきた多くの社長様、特に偉大な先代から会社を受け継いだ二代目の社長様が、口を揃えておっしゃることなんです。
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「決算書は税理士に任せっきりで、正直ピンとこない」
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「先代は『肌感覚』で経営しとったけど、自分にはそんな芸当は無理じゃ…」
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「古参の社員に数字の話をしても、『先代はそんなこと言わなかった』で終わってしまう」
その気持ち、痛いほどよく分かります。
私自身、27年間、様々な中小企業の経理部長として、数字と現場の板挟みになってきましたから。
でも、ご安心ください。
その「漠然としたお金の不安」の正体は、決してあなたの経営能力が低いからではありません。
ただ、会社の数字の「見るべきポイント」を知らないだけなのです。
そして、嬉しいお知らせがあります。
社長が見るべき数字は、実は「たった3つ」だけなんです。
この記事を最後まで読んでいただければ、分厚い決算書を前にフリーズすることなく、自社の健康状態をサッと把握し、自信を持って次の一手を打てるようになります。
なぜ、見るべき数字は「3つ」だけでいいのか?
「いやいや檜和田さん、会計の本には難しい指標がたくさん書いてあるじゃないか」
そう思われるかもしれません。もちろん、それらの指標も無意味ではありません。
しかし、私が声を大にしてお伝えしたいのは、社長の仕事は「会計の専門家」になることではない、ということです。
社長の最も重要な仕事は、過去の数字を細かく分析することではなく、数字という"事実"を元に「会社の未来を良くするための決断」をすることです。
私が経理部長だった頃、良かれと思って30ページにも及ぶ詳細な経営分析レポートを社長に提出したことがありました。しかし、社長が私に求めた言葉はいつも同じでした。
「檜和田くん、ありがとう。で、結局うちは儲かってるの? 次の一手はどうすればいい?」
この経験から、私は確信したのです。社長が本当に知りたいのは、複雑な分析結果ではなく、シンプルで、かつ会社の根幹に関わる「答え」なのだと。
私たちが健康診断で、まず「体重・血圧・血液検査」の結果を気にするように、会社の健康状態を把握するためにも、まず押さえるべき必須項目があります。
それが、これからお話しする「①お金の流れ」「②本当の儲け」「③会社の体力」を示す3つの数字なのです。
会社の数字、これだけ見ればOK!3つの最重要ポイント
お待たせしました。それでは、具体的に3つのポイントを見ていきましょう。
難しい会計用語は使いませんので、リラックスして読み進めてくださいね。
ポイント1:【お金の健康診断】会社の血液、「キャッシュ」の流れは健全か?
●見るべき数字:「資金繰り表」と「現預金残高の推移」
一つ目のポイントは、何よりもまず「お金(キャッシュ)の流れ」です。
よく「黒字倒産」という言葉を聞きますよね。帳簿上は利益が出ていても、手元の現金がなくなって支払いができなくなれば、会社はそこで終わってしまいます。
利益は「意見」、キャッシュは「事実」。
会社の血液であるキャッシュの流れを、最低でも3ヶ月先まで把握しておくことは、社長にとって最も重要な仕事と言っても過言ではありません。
【見方・考え方】
「資金繰り表なんて作ったことがない…」という方も大丈夫。
まずは、会社のメインバンクの通帳を用意して、過去3ヶ月の月末残高を折れ線グラフにしてみてください。
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そのグラフ、右肩上がりですか? それとも右肩下がりですか?
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もし下がっているなら、その原因は何でしょう?
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売上は入ってくるのが2ヶ月先なのに、仕入れや外注費の支払いは翌月…なんてことはありませんか?
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思ったより売れなくて、倉庫に在庫が眠っていませんか?
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大きな設備投資や賞与の支払いがありましたか?
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原因が分かれば、対策が打てます。これが第一歩です。
【架空事例①:広島市・建設業B社】
(※これは実績に基づく事例ではなく、分かりやすくするための架空のモデルケースです)
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悩み:大型案件を受注して売上は過去最高。なのに、月末になると外注さんへの支払いや材料費の支払いにいつも追われて、ヒヤヒヤしている。
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原因分析:社長と一緒に「簡易的な資金繰り表」を作成してみました。すると、問題は一目瞭然。今回の大型案件は、売上の入金が工事完了の2ヶ月後なのに対し、外注費や材料費の支払いは翌月末に集中していました。典型的な「キャッシュフローのズレ」が起きていたのです。
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アクション:まずは金融機関に相談し、事情を説明して短期のつなぎ融資を受け、当面の支払いを乗り切りました。同時に、今後の契約では、得意先に事情を話して着手金をいただくか、せめて入金サイトを1ヶ月短縮してもらう交渉をすることに。資金繰りの不安が解消され、社長は安心して次の受注活動に専念できるようになりました。
ポイント2:【本当の儲けの正体】どの商品が本当に会社を支えているか?
●見るべき数字:「限界利益(売上高 - 変動費)」
二つ目のポイントは、「本当の儲け」です。
いきなり「限界利益」なんて言葉が出てきて驚いたかもしれませんね。簡単に言うと、「売上から、その商品を作るのに直接かかった費用(材料費や外注費など)を引いた利益」のことです。
なぜこれが重要かというと、「売上が大きい商品=儲かっている商品」とは限らないからです。
もしかしたら、良かれと思って売っているその商品が、実は売れば売るほど赤字を垂れ流している「お荷物」かもしれません。
どの商品(事業)に力を入れ、どの商品を見直すべきか。
この「限界利益」は、社長が正しい経営判断をするための、強力な武器になります。
【見方・考え方】
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商品やサービス、事業部ごとに「限界利益」がいくら出ているか計算してみましょう。
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限界利益を売上で割った「限界利益率」も出してみます。
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極端に限界利益率が低い商品はありませんか? それは、なぜでしょう?
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手間がかかりすぎている?
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原材料費が高騰しているのに、価格に転嫁できていない?
安売りしすぎていない?
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この分析は、あなたの会社の「儲けの構造」を丸裸にしてくれます。
【架空事例②:呉市・食品加工業C社】
(※これは実績に基づく事例ではなく、分かりやすくするための架空のモデルケースです)
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悩み:先代から続く看板商品の佃煮セット。地域の皆さんにも愛されているし、お歳暮時期には本当にたくさん売れる。でも、なぜか忙しいばかりで儲かっている実感がない。
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原因分析:商品別に「限界利益」を計算したところ、社長も私も、思わず言葉を失いました。なんと、看板商品の佃煮は、手間がかかりすぎる上に近年の原材料高騰が直撃し、利益率がわずか5%。むしろ、ここ数年で始めた冷凍総菜の方が、利益率30%と、会社の利益をしっかりと支えていたことが判明したのです。
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アクション:社長は苦渋の決断をしました。長年愛されてきた佃煮セットの価格を10%値上げ。同時に、利益率の高い冷凍総菜のネット販売に広告費を集中させました。結果、会社全体の売上は少しだけ下がりましたが、利益額は20%も増加し、社員の給料を上げることもできたのです。
ポイント3:【会社の体力測定】いざという時、会社は耐えられるか?
●見るべき数字:「自己資本比率(自己資本 ÷ 総資本)」
最後のポイントは、「会社の体力」です。
これは、貸借対照表(B/S)を見れば一発で分かります。
計算式は「純資産の部(=自己資本)」を「資産の部合計(=総資本)」で割るだけ。これが「自己資本比率」です。
簡単に言えば、会社の全財産のうち、返済する必要がない自分のお金がどれくらいの割合あるか、ということです。
この比率が高いほど、借金が少なく、経営が安定している「筋肉質な会社」と言えます。
【見方・考え方】
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まずは自社の自己資本比率を計算してみましょう。
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業種にもよりますが、まずは**30%**を一つの目標にしてみてください。50%を超えれば、銀行も絶賛する優良企業です。
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重要なのは、単発の数字だけではありません。この比率が、3年前、2年前、去年と比べて、少しずつでも改善しているかが大切です。
私が経理部長として銀行と融資の交渉をする際、彼らがどれほどこの自己資本比率を重視しているか、肌で感じてきました。
銀行は、社長の熱い想いや将来の売上計画ももちろん見ますが、それ以上に「この会社は、万が一の時に耐えられる体力があるか?」という点を冷静に見ています。
この数字を意識して、毎年少しずつでも改善させていく。
それだけで、銀行からの信頼は大きく変わり、いざという時に会社を守る「お守り」になるのです。
【結論】数字は「敵」じゃない。未来を照らす「武器」になる。
さて、ここまでお疲れ様でした。
社長がまず見るべき3つのポイントを、もう一度おさらいしましょう。
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お金の流れ(資金繰り): 会社の血液は、止まらずに流れているか?
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本当の儲け(限界利益): どの商品が、本当に会社を儲けさせてくれているか?
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会社の体力(自己資本比率): いざという時、会社は耐えられる筋肉質か?
いかがでしょうか?
「決算書を全部読まないと…」と気負う必要なんて、ないのです。
まずはこの3つからで大丈夫。この3つの数字を把握するだけで、「なぜかお金が残らない」という漠然とした不安の正体が分かり、具体的な次の一手を打てるようになります。
数字は、あなたを追い詰める「敵」ではありません。
あなたの会社の進むべき道を照らし、自信を与えてくれる、未来を切り拓くための強力な「武器」であり「コンパス」なのです。
そして、その武器を使いこなすために、あなたはもう一人で悩む必要はありません。
私のような専門家を「もう一人の経理部長」 「右腕」 として、隣に置くという選択肢があります。
会社の数字の見方でお悩みの経営者様へ。当社の『もう一人の経理部長プラン』なら、そのお悩みを解決できます。まずはHPをご覧ください。
筆者プロフィール
檜和田 知之(ひわだ ともゆき)
ワイズビズサポートナビ代表
日新製糖株式会社、ネッツトヨタ広島株式会社 などを経て、中小企業で経理部長・管理部長を歴任 。
27年間の現場経験で、資金繰り改善、業務効率化を主導し、年間200万円以上のコスト削減 や月65時間の作業時間削減 などを実現。
ある製造現場で、現場を無視したシステム導入を進めて大失敗した経験から、「机上の空論では会社は1ミリも動かない」 ことを痛感。
その経験を活かし、広島・呉の中小企業、特に「先代の看板」と「社員との壁」の間で孤独を感じる二代目経営者の「もう一人の右腕」となるべく独立 。
数字と現場を繋ぐ「翻訳者」 として、社長の挑戦に心から寄り添う伴走支援を行っている。
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