広島の中小企業経営者が語る "デジタル化に踏み切れない" 本音の理由と解決のヒント
2025/01/06
27年間の経理・財務の実務経験を通じて、多くの広島の中小企業経営者の皆様とデジタル化についてお話をさせていただきました。
「うちには難しいのではないか」
「投資に見合う効果があるのか」
「従業員がついていけるだろうか」
こういった不安の声を、特に製造業や建設業の経営者の方々からよくお聞きします。
実は、これらの声は広島の企業に限らず、全国の中小企業が共通して抱える課題です。経済産業省の『2024年版中小企業白書』によると、中小企業のデジタル化率はわずか35%に留まっています。
大手食品メーカーでの経理・財務業務、ERPシステムの導入・業務改革の経験を通じて、私が確信していることがあります。デジタル化は決して「大企業だけのもの」ではなく、むしろ中小企業だからこそ、効果を実感しやすい取り組みなのです。
本稿では、実践的な知見と具体的な数値を基に、広島の中小企業経営者の皆様が抱える「デジタル化への不安」について、一つひとつ解決の道筋をお示ししていきます。
デジタル化を躊躇する"4つの不安"とその真実
1. 「投資コストが高すぎるのではないか」という不安
経営者の皆様からもっともよく耳にするのが、投資コストへの懸念です。経理・財務の実務を通じて、中小企業の投資判断に関わってきた経験から、この不安には根拠があると理解しています。
ただし、ここで重要なポイントが2つあります。
1つ目は、段階的な導入が可能だということ。例えば、広島市の金属加工業A製作所様の事例では、最初は請求書のデジタル化だけから始めることで、初期投資を月額3.5万円に抑えながら、経理作業時間を約40%削減することに成功しました。
2つ目は、**補助金の活用**です。現在、IT導入補助金では最大450万円の補助が可能です。これは投資額の最大半額が補助される制度で、実質的な負担を大きく軽減できます。
2. 「社内に詳しい人材がいない」という不安
大手メーカーでのシステム導入プロジェクトで、最も重要だと実感したのは、実は専門的な知識ではありません。むしろ、現場の業務を理解している人材の存在が成功の鍵となります。
呉市のB建設様では、経理担当者が簿記の資格を持っていなかったにもかかわらず、クラウド会計の導入に成功しています。なぜなら、日々の業務フローを熟知していた経理担当者が、自身の困りごとを明確に説明できたからです。
導入の際に必要なのは:
- 現場の課題を理解していること
- 改善意欲があること
- 基本的なPCスキル
これらは、多くの企業様ですでにお持ちの要素です。
3. 「従業員が対応できるか不安」という声
27年の実務経験を通じて確信していることがあります。デジタル化の成功は、ツールの複雑さではなく、導入プロセスの適切さにかかっています。
広島市の水産加工業D水産様の例では
- 1週目:現状業務の棚卸
- 2週目:システム基本操作の研修
- 3-4週目:段階的な機能の導入
- 1ヶ月目以降:定期的なフォローアップ
このように段階を踏んだ導入により、50代以上のスタッフも含めて、全員がスムーズに新しい業務フローに適応できました。
4. 「効果が見えにくい」という不安
この点については、具体的な数値でお示しするのが最も効果的だと考えています。
【広島県内の導入企業様での効果例】
- 請求書作成時間:2日→2時間に短縮
- 経費精算の工数:月40時間→10時間に削減
- 在庫管理の時間:毎日2時間→30分に改善
確実に成功させる、3ステップの導入アプローチ
大手企業でのERP導入プロジェクトで得た経験から、中小企業様向けに最適化した導入ステップをご紹介します。
ステップ1:現状分析と課題の可視化(2週間)
デジタル化の第一歩で最も重要なのは、「何を」改善したいのかを明確にすることです。
【具体的なチェックポイント】
- 経理業務における作業時間の内訳
- 手作業による単純作業の洗い出し
- ミスが発生しやすい業務の特定
- 部門間での重複作業の確認
広島市のC運送様では、この過程で「配車計画の作成に毎日2時間」「請求書発行に月3日」という具体的な数値が見えてきました。この「数字での可視化」が、後の効果測定の基準にもなります。
ステップ2:段階的なシステム導入(2週間)
システム導入は、一度にすべての機能を使い始めるのではなく、段階的に進めていくことが成功のポイントです。
【推奨する導入順序】
1. 請求書のデジタル化
- 作業時間:即時に50%削減
- 投資額:月額3.5万円から対応可能
2. 経費精算の電子化
- 作業時間:約65%削減
- 効果:経費の可視化と分析が可能に
3. 在庫・案件管理への展開
- 作業時間:データ入力作業を90%削減
- 効果:リアルタイムでの状況把握が可能に
ステップ3:定着化と効果測定(1ヶ月)
システムの導入後、最も重要になるのが「定着化」のプロセスです。ERPシステム導入プロジェクトの経験から、以下のポイントを特に重視しています。
【定着化のポイント】
- 毎週の進捗確認ミーティング
- 操作に関する質問対応
- 業務フローの微調整
- 効果の可視化とフィードバック
活用できる補助金と具体的な申請手順
現在、デジタル化に活用できる主な補助金として、IT導入補助金があります。
【IT導入補助金の概要】
- 補助額:最大450万円
- 補助率:最大1/2
- 対象:ソフトウェア費用、導入費用など
【申請の手順】
1. ITベンダーの選定
2. 導入するITツールの決定
3. 交付申請の準備と提出
4. 事業実施
5. 実績報告の提出
まとめ:デジタル化成功のための3つの鍵
27年の実務経験から、デジタル化成功の鍵は以下の3点に集約されると考えています。
1. 段階的なアプローチ
- 小さく始めて、確実に効果を実感
- 投資対効果を見極めながらの展開
2. 現場視点の重視
- 実際の業務フローに基づく導入
- 従業員の声を活かした改善
3. 継続的なサポート体制
- 導入後のフォローアップ
- 定期的な効果測定と改善
デジタル化は、決して大げさな「改革」である必要はありません。現場の小さな改善の積み重ねが、確実な成果につながっていきます。
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